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東京高等裁判所 平成8年(ネ)5581号 判決 1997年9月25日

控訴人

株式会社棟興住宅

右代表者代表取締役

五十嵐勇

外二名

右控訴人ら訴訟代理人弁護士

田中章雅

角田伸一

被控訴人

千代田火災海上保険株式会社

右代表者代表取締役

鳥谷部恭

右訴訟代理人弁護士

田邨正義

佐野真

村田恒夫

服部政克

主文

一  本件各控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

第一  当事者の求めた裁判

一  控訴の趣旨

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人は、控訴人株式会社棟興住宅に対し、八七〇〇万円及びこれに対する平成七年九月五日から支払済まで年六分の割合による金員を支払え。

3  被控訴人は、控訴人五十嵐勇に対し、一二五〇万円及びこれに対する平成七年九月五日から支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。

4  被控訴人は、控訴人五十嵐ちえ子に対し、一二五〇万円及びこれに対する平成七年九月五日から支払済まで年六分の割合による金員を支払え。

5  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  控訴の趣旨に対する答弁

主文一と同旨。

第二  当事者の主張

原判決事実及び理由第二記載のとおりであるからこれを引用する。ただし、原判決四頁一行目の「亡正貴は、」の次に「その死因は特定できないか、又は」を加え、六頁二行目の「、同じく」から三行目の「交通傷害」、七行目の「(一)」、七頁二行目から八頁七行目、別紙保険契約目録記載一ないし三五の各保険契約の「保険の種類」中「ファミリー交通傷害」を削除する。

第三  証拠

本件記録中の証拠目録の記載を引用する。

理由

一  原判決一一頁四行目から二一頁一〇行目までを引用する。ただし、次のとおり加除訂正する。

1  原判決一一頁四行目の冒頭に「1」を加え、同行の「(9)」を「(6)」に改め、五行目の「を伴うてんかん発作」を削除し、七行目の「ると認めるのが相当である」を、「り、その原因は、てんかん発作が疑われはするが不明である」に改める。

2  同二〇頁二行目から二一頁二行目まで及び同頁七行目の「てんかん発作がなくて」を削除する。

二  本件各保険契約においては、被保険者である亡正貴が急激かつ偶然な外来の事故によってその身体に被った損害に対して保険金を支払う旨定められており(乙一の一、二)、右外来の事故とは、事故の原因が専ら被保険者の身体の外部にあることと解すべきである。

これを亡正貴の死因についてみると、前示認定事実によれば、亡正貴が右にいう外来の事故によって死亡したとは証拠上認めることはできない(てんかん発作である疑いがきわめて濃厚であるが、これも断定できるには至らない。)。

三  以上のとおり、亡正貴の死因については、本件各保険契約において保険金が支払われるための要件である、外来の事故であると認めることができないから、被控訴人に対して本件各保険契約に基づいて保険金の支払を求める控訴人らの請求は理由がない。したがって、控訴人らの請求はこれを棄却すべきである。

よって、本件各控訴は理由がないから棄却し、控訴費用の負担について民訴法九五条、八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官渡邊昭 裁判官佐藤久夫 裁判官池田亮一)

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